今回は本連載の第6回であり、最終回です。これまではフラッシュドローとOESDを例に解説してきました。最終回ではバックドアドローを取り上げ、なぜバックドアドローがアクションを決める上で重要なのかを解説していきます。
フロップをミスしたAK
MPからでオープンレイズしたとしましょう。BBがコールしてヘッズアップになりました。フロップでBBはチェックしました。
フロップにはミドルカードとローカードが落ちました(つまりこちらのハンドはフロップをミスしました)。しかし、フロップには2枚のクラブが落ちていて、バックドアナッツフラッシュドローがあります。さて、このスポットではCBを打つべきでしょうか。AKでフロップをミスしたとき、いつもならどのようにプレイしていますか?
昔(10〜15年前)は、このスポットでは100%の頻度でCBを打てば上手くいきました。しかし最近はディフェンスする側のプレイヤーも抵抗する術を身につけ、より高頻度でディフェンスするようになりました。今日の典型的なプレイヤーが相手なら、AKの一部でCBを打つのが最適戦略になると思います。では、このようにフロップをミスした場合、AKのどのコンボでCBを打ち、どのコンボでチェックすべきなのでしょうか。
バックドアドローの価値とは
バックドアドローそれ自体(リバーまでにフラッシュができうるということ)には大した価値はありません。私のコーチングを受けてくれる生徒には、バックドアドローは1アウツとしてカウントするよう教えています。バックドアドローそのものの価値はせいぜいそんなところです。大して重要ではないのです。
しかし、バックドアナッツフラッシュドローはブラフにおいて非常に重要な役割を果たすのです。私だったらこのフロップでは必ずCBを打つでしょう。理由は次の通りです。
- ターンでトップペアができるアウツが6枚ある(もちろん他のAKのコンボも同様です)。しかし、それに加えて...
- デッキには10枚のクラブが残っていて、そのうちの1枚がターンで落ちれば引き続きアグレッシブにプレイすることができる
ターンのクラブは次の2つの理由で有用です。
- ナッツフラッシュドローになる。そしてそれよりも重要なのが...
- 相手のナッツフラッシュをブロックしているので、ターンとリバーでバレルを継続する場合に最大限プレッシャーをかけることができる
もちろん、相手がターンでフラッシュを完成させている可能性だってあります。しかしポーカーは確率のゲームです。を持っていることで、相手のフラッシュコンボの約半分をブロックしていることになります。加えて、相手がナッツフラッシュドローを持っているのはありえないので、ペア付きのナッツフラッシュドローのようなハンドもブロックできているのです。
このスポットでのターンとリバーのブラフは長期的には利益的になるでしょう。そしてそれを可能にするのはフロップの時点で上記のような思考ができていることです。例えば、もしハンドが(バックドアナッツフラッシュドローがないAK)だった場合、CBは打たずにチェックバックするべきでしょう。
6回にわたる連載は以上です。みなさんがドローをより効果的にプレイできるようになるための一助になれば嬉しいです!
著者:スティーブ・ブレイ
翻訳元の記事:Playing Draws, Part 6