連載ブラフ入門 第3回 (3/3)|上手なブラフ 3つのポイント
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本連載も今回が最後です。第1回第2回では次の内容について解説しました。

  1. ベットサイズ(ポット比)によってリバーブラフの最適頻度が変わる
  2. フロップでのブラフにはエクイティがあり、どのハンドも実質セミブラフとなるのでより高い頻度でブラフをする。一方、リバーのブラフハンドにはエクイティがなく、相手をフォールドさせなくてはポットを獲得することができないピュアブラフである。
  3. 他に良いブロッカー付きのハンドがある場合を除いて、リバーではレンジ内で最弱のハンドでブラフする

今回は最終回ということで、前回までに解説してきた上記の3つを実戦で活かすためのポイントを3つ紹介します。

ポイント1|大きなポットでブラフせよ

もちろんここまでに見てきたブラフ頻度というのはゲーム理論上は最適値なわけですが、もし相手がGTOをプレイしていない場合はGTOの最適頻度から外れてプレイするべきです。では、GTOの頻度よりも高い頻度なのか、それとも低い頻度なのか、どちらの方向に外れるべきなのでしょうか?

結論から言いますと、「高頻度でブラフすべし」です。スモールステークスにおいてはリバーのブラフはとてつもない利益になりえます。$1/3をプレイしていて、リバーで$200のポットに$100をベットするとしましょう(スモールステークのプレイヤーにとって$100というのはなかなかコールしがたい額で、実際GTOの頻度ほどコールされることはないでしょう)。$200を得るために$100のリスクを取っているので、ブラフがブレークイーブンになるためには3回に1回成功すれば良いということになります。

注意していただきたいのは、これは大きなポットのリバーにおいて有効だということです。もしリバーの時点でポットが$40しかなく、$20のブラフを打ったとしたら、結構な頻度でコールされてしまうことでしょう。$20というのは簡単にコールできてしまう額だからです。一方$100は、仮にそれがポットのたった半分であっても、スモールステークスのプレイヤーにとってはやはりコールしがたいのです。ちょっと時間が空いたからと言って限られたお小遣いでバイインしているレクリエーショナルなプレイヤーにとってはなおさらです(そしてスモールステークスにはこの種のプレイヤーがたくさんいます)。

もちろん、疑り深いプレイヤーというのはどこにでもいます。スタックを何回飛ばしても気にせずチップを買い足して、たとえポットが大きくてもGTO頻度よりはるかに高い頻度でブラフキャッチをしてくるプレイヤーです。この種のプレイヤーはスモールステークスでは比較的少ないですが、きちんと見極める必要があるでしょう。

ポイント2|大きなポットではブラフキャッチするな

さて、ポイント1を逆の立場から考えてみると、すべきことがもう1つ見えてきます。スモールステークスのプレイヤーはリバーで大きなブラフはできないのです。つまり、リバーの大きなベットに対しては余程の事情がない限りブラフキャッチすべきではありません。ナッツ以外のハンドでコールしないほうがいいとさえ言えるかもしれません。例えば、スモールステークスをプレイしていて、フロップでセットができたとしましょう。フロップからトリプルバレルして、リバーで大きな額のオールインレイズが返ってきました。私だったら、相手がよほどトリッキーな相手でない限りこのようなベットにはナッツ以外はフォールドします。

「でも…とはいえ、こっちに勝ってるハンドなんてリバーでストレートになったQJしかないじゃないですか!ガットショットでセカンドバレルまでコールしてきたって言うんですか?!」

断言します。相手はそのQJを持っています。

ポイント3|スケアカードでブラフせよ

最後に、ブラフのタイミングについてもう一点。一般的に、こちらのレンジに有利なスケアカードがリバーで落ちたときはブラフに向いているスポットです。例えばQhThを持っていて、ボードがJsAh8s5d2sだとします。フロップでダブルベリーバスターになり、フロップとターンで相手のバレルをコールしたとします。リバーでこちらのドローは完成せず、代わりにフラッシュが完成するカードが落ちました。ここで相手がOOPからチェックしてきました。こちらのフロップとターンでのコールはフラッシュを引き当てたことを強く主張しているので、このリバーはブラフするのに最適なスポットといえるでしょう(多くのレクリエーショナルなプレイヤーはダブルベリーバスターがあることすら気づいておらず、フラッシュドローでコールしていると思い込んでいることでしょう)。

さらに言えば、かなり弱いプレイヤーに対しては、必ずしもこちらのブラフが理にかなっている必要はありません。例えばリバーボードが、Ks5h3d7s4sだとしましょう。そこそこ上手いプレイヤーが相手の場合は、6をリプレゼントできないならブラフはすべきではないでしょう。しかし、相手が複雑な思考をしないような弱いプレイヤーであれば、私だったら相手のチェックに対してほぼ毎回ベットしていきます。このようなボードではトップペアすらスナップフォールドしてくれることでしょう。

まとめ

今回皆さんに紹介したいのは以上です。相当弱いプレイヤーを相手にプレイし続ける場合を除いては、大きなブラフを使わずに勝ち組プレイヤーになるのは不可能といえるでしょう。もし大きなブラフが得意でないのであれば、是非この機会に克服してご自身のスキルを一段階上げてみてはいかがでしょうか。

著者:スティーブ・ブレイ
翻訳元の記事:Bluffing, Part 3

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