『現代ポーカー理論』内の訳注を以下にまとめました。本書を読む際にスマートフォンやパソコンで、
上巻
- グラインダー 小さなリスクで手堅く着実に利益を生むことを追求するプレイヤーのこと
- ホールデムマネージャー オンラインポーカーで相手のデータを収集するツールの一つ
- HUD ヘッズアップディスプレイ[英 Heads-Up Display]。主にオンラインポーカーで使用され相手プレイヤーのデータを表示してくれるソフトウェア、また、それらのソフトウェアによって表示されたデータのこと。
- ウェビナー オンラインセミナーのこと。ウェブ上で行われるセミナーなのでウェビナーと呼ばれる。
- ソリューション ゲーム理論では一般的には「解」といわれるが、ポーカーでは「ソリューション」と訳されることが通例なので本書でもソリューションと訳した。
- マネー・メーカー効果 2003年、クリス・マネーメーカーという青年がWSOPと呼ばれるポーカーの世界大会の予選に$86で参加した。彼は予選から勝ち続け優勝し約2億7,026万円を獲得する。少額のエントリーで一躍大金持ちになったという成功物語が世間の想像力をかき立て、米国のポーカー人気の波を作り出した。これをマネー・メーカー効果と呼ぶ。
- ブラックフライデー事件 2011年、アメリカ司法当局がアメリカ国内で事業展開していたオンラインポーカー事業者を違法インターネットギャンブル禁止法違反で訴追し、これらのサイトの米国内での活動を停止させた。これによりアメリカでのオンラインでお金を賭けてポーカーをすることができなくなり、オンラインポーカー業界の勢いが一気に衰えた。その日が金曜日であったため、ポーカー業界ではこの日のことを「ブラックフライデー」と呼ぶ。
- エクスプロイト 「搾取」ともいう
- エッジ 他プレイヤーに対するポーカーのスキル上の強み/優位性のこと
- リーク ポーカーにおける戦略上の弱点
- ドロー ドローについては後述
- コインフリップ/レース 日本語では「フリップ」、「じゃんけん」ということもある。
- クーラー そのような状況でより強い方のハンドを持っていることを「クーラーする」ということもある。
- vs(対) ハンドレンジの説明等でもよく使われ、「BN vs SB3ベット」と言った場合にはSBの3ベットに対するBNのレンジを指す。
- メイドハンド ワンペア以上の役が既にあるハンド
- 自発的にポットに参加すること ポットに参加する「頻度」を表すこともある
- リンパー リンプしたプレイヤーのこと
- アグレッサー 直近でベットまたはレイズをしたプレイヤーのこと
- ベットベット(b/b) ダブルバレルともいわれる。
- b/b/b 以後、カタカナ表記のアクションが2つ以上つなげて表記される場合は原則としてこの例と同様に一人のプレイヤーについての一連のプレイラインを指すものとする。例外として、「プッシュ/フォールド」はオールインするかフォールドするかの二択の戦略を指すこととする。また、「小文字アルファベット/小文字アルファベット」で表記される場合は、上記と同じもの指す場合とプレイヤー全員のアクションを指す場合がある。例えば「x/b/c/x/x」が後者を意味する場合、フロップでOOPがチェック、IPがベット、OOPがコール、ターンでOOPがチェック、IPがチェックという一連のアクションを示す。
- ブロックしている 自身が特定のカードを持っていることによって、相手がそのカードを含むハンドの組み合わせを持ちえない状況にしていること。
- トップカード この場合A
- ミドルカード この場合J
- ミドルカードとボトムカード この場合Jと9
- バンクロール ポーカーをプレイするために使うことのできるお金の総額のこと
- リバーでハートを拾う確率 ターン時、フラッシュが完成しておらずVillainがオールインをしてきた場合
- バックドアフラッシュドロー 以下の式における、BDSTD、BDOESD、BDFD、BDGSSDは、それぞれ、バックドアストレートドロー(Backdoor Straight Draw)、バックドアオープンエンドストレートドロー(Backdoor Open Ended Straight Draw)、バックドアフラッシュドロー(Backdoor Flush Draw)、バックドアガットショットストレートドロー(Backdoor Gutshot Straight Draw)の略称。
- そのハンドが勝つオッズよりも高い場合 比ではなく%で考えるならば、ポットオッズがそのハンドの勝率よりも低い場合。
- MTT マルチテーブルトーナメント
- ボードテクスチャー ボードの性質のこと
- コンボドロー 「OESDでありかつフラッシュドロー」のように複数のドローを兼ね備えているドローのこと。フラッシュドロー付きのボトムペアのようなハンドもコンボドローと呼ぶことがある。
- ジャックポット付きSNG ジャックポット付きのSNGは、PokerStarsではSpin & Go、888ではBLAST Sit & Goなどと呼ばれる。
- Xbb/100 100ハンドあたりにどれだけのお金を得たかを示す。Xがマイナスの場合はその分お金を失ったことを意味する。以下、本書で特に断りがない場合、bb/100という単位は「bb/100ハンド」を指す。
- フォールドエクイティ ここでのフォールドエクイティは単に相手がフォールドする確率のこと
- エクイティリアライゼーション [英 Equity Realization]エクイティ実現、エクイティの実現とも
- オーバーリアライズ 「リアライズ」は実現するという意
- リニアレンジ リニア[英 Linear]には、直線の、比例する、という意味がある。
- 総和 総和のことをサム[英 Sum]という
- 純粋戦略 ポーカーにおいては、特定の状況下の特定のハンドで毎回同じアクションをとること。例えば、レーキが10%で2bbキャップの6-maxのキャッシュゲームをプレイしていて、テーブルの全員が100bbを持っているとする。LJでAAが配られた際に、プリフロップで3bbのRFIを必ず行い、他の選択肢を取らない戦略は純粋戦略である。
- 混合戦略 ポーカーにおいては、特定の状況下の特定のハンドで、複数のアクションを一定頻度で実行する戦略のことをいう。例えば、レーキが10%で2bbキャップの6-maxのキャッシュゲームをプレイしていて、テーブルの全員が100bbを持っているとする。プリフロップでLJにいるときに、AAを90%の頻度で3bbレイズし、10%の頻度でリンプする戦略は混合戦略である。
- ロスリーダー マーケティング用語の1つで、その商品単体の採算を度外視した格安な価格に設定された客寄せ商品のこと。
- レベリングウォー [英 Leveling War]お互いに相手の思考レベルを読み合う戦いのこと。「相手がこちらの思考レベルをXと考えているということは、相手はX+1でプレイしているはずなので、こちらはX+2のプレイをしよう」というこちらの思考を相手に読まれているとしたら、こちらはX+4のプレイをするべきだが、それすらも読まれていたら・・・というように、この戦いは両サイドで際限なく続き、非常に高度な読み合いになりうるので戦争を意味する「ウォー」という言葉が使われる。
- 無差別にする ゲーム理論用語。この場合は、P2にとってコールをしようがフォールドをしようが得られるEVが同じになるようにP1がするということ
- 次の式 P2がフォールドする確率が0.5になる理由については後述
- 決定木 決定木はディシジョンツリーといわれることもある。
- MESとMinES MESとMinESについては後述。
- ニット 非常にタイトなプレイヤーのこと
- リアクティブとプロアクティブ プロアクティブ[英 Proactive]とはもともと、率先した、積極的な、という意味で、自ら主体的に行動する様子を指す。反対に、リアクティブ[英 Reactive]は、反応する、反応的な、という意味。
- プレイアビリティプロファイル 各ハンドのプレイアビリティをまとめたもの。詳しくはEquilab等のエクイティ計算機のWebページを参照。
- スクリプト プログラミングを行うことでタスクを自動化するための機能
- バンチング [英 Bunching Effect / Card Bunching Effect]すでにフォールドしたプレイヤーのフォールドレンジに特定のカードがあまり含まれていない場合、そのカードがデッキにある確率が高くなる効果のこと。例えば、Aを持っている場合オープンレイズすることが多いので、前のプレイヤーがフォールドしたハンドの中にAはあまり含まれていない。裏返すと、デッキの中にAが残っている確率が高いということになる。
- Ɛ ギリシア文字イプシロン
- ゲームの木 [英 Game Tree]ポーカーのようにプレイヤーが順番に行動をするゲームを、各プレイヤーの行動ごとに線を分岐させる形で表現したもの。ゲームの木では、意思決定が行われる分岐点をノードと呼ばれる点で表し、各ノードから枝と呼ばれる線を分岐させる形で取りうる選択肢を表す。ゲーム木、ゲームツリーとも。
- ボードカバレッジ あるハンドレンジが、配られうるさまざまなフロップ、ターン、リバーのボードに対してどの程度絡むか。例えば、ハイカードのみで構成されたハンドレンジは、ミドルカードやローカードのみのボードには全く絡まないので、ボードカバレッジは低いといえる。
- スティッキー スティッキー[英 Sticky]はもともと、粘着性のある、ベタベタする、という意。
- バリュータウン バリュータウン[英 Valuetown]とは、バリューベットにコールすることで行くことができるとされる架空の都市。例えば、相手のバリューベットに降りれずペイオフしてしまったことを友人に説明するときに「今日はバリュータウンへ行ってきたんだ」のように使う。
- トラッピー トラッピー[英 Trappy]はもともと、わなを仕掛けがちな、油断ならない、やっかいな、という意。
- ヒューリスティクス ヒューリスティクス[英 Heuristic]とは既知の傾向や経験則に基づく問題解決手法のこと。計算機科学ではアルゴリズムと対比されることが多く、アルゴリズムに比べて答えの精度は劣るが、正解に近い解を短い時間で得ることができるのが特徴。発見的手法とも。
- ホイール [英 Wheel]5-4-3-2-Aのストレートのこと。バイク、バイシクルとも。ホイールのAxsといえばA2s-A5sを指す。
- バストアウト スタックを全て失いトーナメントを敗退すること
- ドンカメントプレイヤー 雑魚刈り専門のトーナメントプレイヤー。ドンカメントは、ドンク + トーナメントの造語で、弱いプレイヤー(ドンク)がたくさん集まるトーナメントのことを指す。
- ソフトスキル ここでは、GTOの理論とは関係のないスキルのことを指す。
- テル プレイヤーの挙動・表情等の癖
- King of the Hill Poker Night in Americaというアメリカのポーカーのテレビ番組の企画の一つで、参加費$50,000のヘッズアップSNGイベントのこと。
- アイヴィー フィル・アイヴィー
- durrrr トム・ドワンのスクリーンネーム
- ₡ ₡はコスタリカの通貨コスタリカ・コロンを示す
- ROI ここでは宿泊費や渡航費などの経費が大きくなるライブトーナメントを想定している。このため賞金の低いローステークスのトーナメントに参加する場合ROIが低くなる。オンライントーナメントの場合、経費は小さくROIは単純にプレイヤーレベルの影響を受けるためプレイヤーレベルの低いローステークスほどROIが高くなる傾向にある。
- A+ゲーム A+ゲームとは非常に集中してプレイすることのできたゲームのことを指す。プレイを終えた際にプレイ中の集中度合いに応じてそのゲームをA+, A, A-, B+, B, B-, C+...と評価する。
- cEV Chip EV。チップ単位で表現されたEVのこと。詳しくは後述。
- ディール トーナメントは、参加費と参加人数により、あらかじめ決められた賞金分配構造にしたがって賞金が決定される。 しかし、参加人数と賞金総額が確定したとき、残っているプレイヤーの合意により賞金額や入賞者の人数を変更することができる場合が多く、その合意をすることをディールと呼ぶ。
- チップチョップ 保有するチップの量に基づいて賞金プールを分配すること。
- n1 チップの保有数
- テーブルサイズ 1テーブルでプレイするプレイヤー数
- フィールドサイズ トーナメントに参加しているプレイヤーの数
- ハイロータイプのハンド ハイカードとローカードを1枚ずつ組み合わせたハンド
- ハイカードバリューよりもコネクテッドネスを優先してはいる QJoが減り、65sが増えている。
- Villain ここでは3ベッター
下巻
- ポストフロップ フロップが開かれて以降のベッティングラウンドのこと。またポストフロップのプレイと言った場合、ポストフロップで行われるプレイを指す。その他、本書上巻の冒頭で定義、解説されている用語については巻末の『用語集』を参照のこと。
- MTT マルチテーブルトーナメント
- ヒューリスティクス ヒューリスティクス[英 Heuristic]とは既知の傾向や経験則に基づく問題解決手法のこと。計算機科学ではアルゴリズムと対比されることが多く、アルゴリズムに比べて答えの精度は劣るが、正解に近い解を短い時間で得ることができるのが特徴。発見的手法とも。
- ソリューション ゲーム理論では一般的には「解」といわれるが、ポーカーでは「ソリューション」と訳されることが通例なので本書でもソリューションと訳した。
- エクスプロイト 「搾取」ともいう
- 千里眼ゲームのソリューション 千里眼ゲームについては上巻の第2章を参照のこと
- ゲームの木 [英 Game Tree]ポーカーのようにプレイヤーが順番に行動をするゲームを、各プレイヤーの行動ごとに線を分岐させる形で表現したもの。ゲームの木では、意思決定が行われる分岐点をノードと呼ばれる点で表し、各ノードから枝と呼ばれる線を分岐させる形で取りうる選択肢を表す。ゲーム木、ゲームツリーとも。
- 連続ゲーム ゲーム理論におけるゲームを分類する概念の一つで、取りうる打ち手が連続して無限にあるゲームのこと。
- α(アルファ)とMDFについて(再登場) 前出は上巻。詳しくは上巻の第2章を参照のこと。
- 無差別 ゲーム理論用語。この場合は、IPのレンジの底のハンドについて、ベットするEVとチェックするEVが同じになるべきということ。
- [0-1]シングルストリートトイゲーム 後ほど複数ストリートにまたがる[0-1]トイゲームが出てくるが、ここではベットを行うストリートは1つなので、混同しないように「[0-1]シングルストリートトイゲーム」と呼ぶ。
- ブロック 自身が特定のカードを持っていることによって、相手がそのカードを含むハンドの組み合わせを持ちえない状況にしていること。
- 幾何級数的 総量に対し一定の割合で増加または減少していくさま。「指数関数的」と言い換えられる。
- ポラライゼーションディスアドバンテージ 相手のレンジにないナッツ級のコンボを多く持っていることによってポラライズされたレンジで大きいサイズのベットができる状態をポラライゼーションアドバンテージ[英:Polarization Advantage]という。このようなベットは相手に難しいブラフキャッチを迫ることができるので、一般的にはレンジがナッツ級とエアでポラライズされているプレイヤーの方が有利とされる。逆に、相手にポラライゼーションアドバンテージがある場合、こちらにはポラライゼーションディスアドバンテージがあるという。
- リーク ポーカーにおける戦略上の弱点
- 最小搾取型プレイヤー 最小搾取戦略[MinES]を採用しているプレイヤーのこと。詳しくは上巻の第2章を参照のこと。
- ペアフロップ ペアボードのフロップとも
- サブセット ここでは、抽象化して総数をより少なくしたフロップのグループのこと
- アグレッサー 直近でベットまたはレイズをしたプレイヤーのこと
- ドンクベット 直訳としては「馬鹿なベット」の意。文脈によっては揶揄の意味合いはない場合もある。
- 再び 前出は上巻。詳しくは上巻第1章を参照のこと。
- アンダーペア アンダーペアとは、ボードに出ている最もランクの低いカードよりもランクが下のポケットペアのこと。
- BDFD BDSTD、BDOESD、BDFD、BDGSSDは、それぞれ、バックドアストレートドロー(Backdoor Straight Draw)、バックドアオープンエンドストレートドロー(Backdoor Open Ended Straight Draw)、バックドアフラッシュドロー(Backdoor Flush Draw)、バックドアガットショットストレートドロー(Backdoor Gutshot Straight Draw)の略称。
- メイドハンド ワンペア以上の役が既にあるハンド
- エッジ 他プレイヤーに対するポーカーのスキル上の強みや優位性のこと
- バリュータウン バリュータウン[英 Valuetown]とは、バリューベットにコールすることで行くことができるとされる架空の都市。例えば、相手のバリューベットに降りられずペイオフしてしまったことを友人に説明するときに「今日はバリュータウンへ行ってきたんだ」のように使う。
- コンボドロー 「OESDでありかつフラッシュドロー」のように複数のドローを兼ね備えているドローのこと。フラッシュドロー付きのボトムペアのようなハンドもコンボドローと呼ぶことがある。
- TPTK トップペアトップキッカー[英 Top Pair Top Kicker]。持ちうる最高ランクのキッカーを持つトップペアのこと。強いキッカーを持つ場合は、TPGKまたはトップペアグッドキッカー[英 Top Pair Good Kicker]、弱いキッカーの場合はTPWKまたはトップペアウィークキッカー[英 Top Pair Weak Kicker]という。
- ディレイドCB フロップでベットが発生しなかった際に、プリフロップのアグレッサーがターンでベットを行うこと。ディレイド[英 Delayed]には遅れた、という意味がある。また、フロップとターンでベットが発生せず、プリフロップのアグレッサーがリバーでベットを行うこともディレイドCBということがある。ディレイドコンティニュエーションベット、ディレイドCベットとも。
- ナッツブロッカー 以下、本書では「◯◯ブロッカー」は「◯◯をブロックしているハンド」のことを指すこととする。
- ノンフラッシュブロッカー 以下、本書では「ノン◯◯ブロッカー」は「◯◯をブロックしていないハンド」のことを指すこととする。