連載 中級者のためのドロー徹底解説 第3回(3/6)|知っておくべき例外
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前回のおさらい

前回はパッシブにプレイすべきドローとアグレッシブにプレイすべきドローの違いについて解説しました。ショウダウンバリューのありドローが完成しなくても勝つ可能性のあるハンドはパッシブにプレイし、反対に、ショウダウンバリューがないハンドはアグレッシブにプレイすべきということを学びました。

メガモンスタードロー

今回は、その例外から見ていきましょう。その例外とは、私が「メガモンスタードロー」と呼んでいるものです(新しいポーカー用語を作ってしまいました笑)。例えばKsQsを持っていて、フロップがJsTs4cだとしましょう。このドローには全てが詰まっています。ツーオーバー付きのロイヤルフラッシュドローなのです。ワンペア相手には21アウツあり、ホールデムのドローというよりはもはやPLOのドローと言えるでしょう。そして相手のオーバーカードのレンジも強烈にブロックしています。Advanced Poker Training Odds Calculatorで計算してみると、たとえ相手がトップツーペアを持っていたとしても、このハンドは53%のフェイバリットであることがわかります。

事実、このドローはあまりに強いので私の頭の中ではもはやドローとして扱っておらず、前回までに解説したプレイは適用されません。このハンドは非常に強いバリューハンドであり、それ相応に扱うべきなのです。言い換えると、このハンドはバリューベットレンジに入れるべきであり、例えば44と同じようにプレイするべきなのです。このドローがどれほど強いかお分りいただけたでしょうか。

全てに通ずる鍵

さて、例外についてお話したところで、次は全ての鍵とも言えるコンセプトについてお話します。これを習得できれば勝ち組のプレイヤーになれるでしょう。うまく理解できなかったり、習得できなかったりすれば、今後も苦労し続けることになるでしょう。

ドローでチェックレイズをすべきかを判断するには、相手が上手いプレイヤーかどうかの情報が欠かせません。下手なプレイヤーたちは深く考えてプレイしていないので、彼らを相手にプレイするときは、これから説明することは役に立たないでしょう。

上手いプレイヤーが相手の場合、チェックレイズのレンジは常にバリューとセミブラフでバランスが取れていなくてはなりません。もしバランスの悪いレンジでチェックレンジをすれば、私のような思慮深いプレイヤーにすぐに気づかれエクスプロイトされてしまいます。

Kh2h2cのフロップでTh9h

例を見ながら説明するとより理解していただけると思います。あなたはTh9hでMPからレイズしました。スティーブ・ブレイ(※訳注:著者のこと)がBNから3ベットを返してきました。あなたにとってはまさに悪夢です。しかし、スタックがかなりディープだったので、もしかしたら私をスタックできるかもしれないと思いコールすることにしました。フロップには次の3枚が落ちました。

Kh/2h2c

あなたは本連載を読んでいたので、あまりショウダウンバリューがないTh9hでチェックレイズすることに決めました。あなたはチェックし、私がベット。そしてあなたは計画通りチェックレイズしました。

しかし、このプレイには大きな問題があります。何が問題なのでしょうか?読み進める前に一度止まって考えてみてください。

なぜチェックレイズすべきでないのか

ここで問題となるのは、チェックレイズレンジ内のバリューハンドに何があるかです。フラッシュドロー以外にリプレゼントできるハンドはあるのでしょうか。

  • AA, KKはどうでしょう?スティーブのレンジにはありますけど、あなたのレンジにはないですね。AA, KKを持っていたらプリフロップで4ベットするでしょうから。
  • AKはどうでしょう?うーーーん... もしかしたらあるかも?でもまあないでしょう。AKについても、あなたよりもスティーブの方が持っていそうです。あなたはAKはプリフロップで4ベットしているでしょうから。仮にプリフロップで4ベットしていなかったとしても、本当にこのスポットでAKをチェックレイズしますか?チェックコールしてスティーブのレンジを広く保ち、ターンでもう1回ベットしてもらって方がいいのではないでしょうか?スティーブはアグレッシブなプレイヤーですし。
  • 2のトリップスはどうでしょう?可能性があるとしたらA2sの2コンボです。もし仮にあなたがA2sで3ベットをコールしていたらの話ですが。
  • 2のクアッズはどうでしょうか。ありえなくはないでしょう。しかしこれも、22で3ベットにコールしていていて、かつフロップをスロープレイせずにチェックレイズした場合の話です。

こうして整理してみると、バリューハンドもないことはないですが、全てのフラッシュドローでチェックレイズしているのだとしたら、ブラフコンボの割合がさすがに大きすぎます。そしてスティーブは即座にそれを嗅ぎつけ、JJのようなハンドでオールインを返してくるでしょう。するとあなたは、エクイティ全部を放棄してフォールドする(そしてスタックの大部分も失う)か、2:1のアンダードッグでしぶしぶコールするかの非常に困難な判断を迫られてしまいます。

全てのミスはプリフロップに通じる

最後にお伝えしたいことがもう1つ。プレイヤーがポーカーで直面するほぼ全ての問題(例えば先のハンドもそうです)は、結局はプリフロップでのミスプレイに起因します。T9sで3ベットポットをOOPで戦って利益を出すのは相当難しいことです。

ではどうすべきだったのでしょうか。やはりフォールドすべきだったのでしょうか。フォールドすべきだと結論づける結論づける前に、この状況でのあなたの4ベットレンジについて考えてみましょう。

AA, KK, QQ, AKsは間違いなく4ベットレンジに入るでしょう。おそらくAKoも入ると思います。プレイ中はいついかなるときもレンジのバランスを考えなくてはなりません。そう、4ベットのときもです。フロップのテクスチャによってはスティーブにこちらのレンジを特定されてしまうということがないように、ボードカバレッジに優れたポラライズドレンジで4ベットするのが理想です。

つまり... (私が何を言いたいのかすでにお察しかもしれませんが)... 強いハンドだらけの4ベットレンジをバランスよくポラライズするためには、T9sはまさにぴったりのハンドなのです。これについても詳しく解説したいところですが、今回の記事はすでに長くなりすぎてしまいましたので、これについてはまた後日ということで... 次回もお楽しみに!

 

著者:スティーブ・ブレイ
翻訳元の記事:Playing Draws, part 3

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