連載 中級者のためのドロー徹底解説 第4回(4/6)|IPのときは〇〇の頻度を下げるべし
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前半のおさらい

全6回の本連載も今回で4回目を迎えました。後半に入る前に、これまでの内容をおさらいしましょう。前回までの3回ではOOPでのドローのプレイについて解説し、次のことを学びました。

  1. アグレッシブに(チェックレイズ等)プレイすべきドローもあれば、パッシブに(チェックコール等)プレイすべきドローもある。アグレッシブにプレイするかパッシブにプレイするかをいいかげんに決定してはならない
  2. ドローをアグレッシブにプレイするときは、フォールドエクイティが最大となるアクションとベットサイズを選択すべきである
  3. 上手いプレイヤーに対してドローでチェックレイズをする場合、チェックレイズレンジの中に十分な数のバリューハンドが含まれていなくてはならない。さもなければ、相手はこちらのレンジがセミブラフばかりであることを見抜いて攻撃してくるだろう。

ポジションによって変わる唯一のこと

後半の3回では、IPでのドローのプレイを解説します。IPでのプレイもOOPと大差ありません。ただ唯一、IPにいるときはセミブラフの頻度が少なくなります。どういうことか説明しましょう。

例えばBNからスーテッドコネクターでプリフロップのオープンにコールしたとしましょう。フロップでフラッシュドローができたところに、オリジナルレイザーがCBを打ってきました。ここではフラッシュドローでレイズすべきでしょうか。それともコールしてターンを見に行くべきでしょうか。それともフォールドすべきでしょうか。

連載の前半で学んだOOPでドローをプレイするときの考え方はここでも通用しますが、明確な違いもあります。ポジションがあるということはノーリミットホールデムにおいては大きな価値があることなのです。

ポットが大きくなればなるほどポジションの価値は下がっていきます。これは皆さんの直感に反するかもしれません。「大きなポットを戦うときはポジションを持っていた方がいいんじゃないの?」と思われるかもしれません。たしかにポットが大きいときにポジションがあれば戦いやすいですが、ポジションの力を有効活用するためにはある程度の額のスタックがなければならないのです。

オールイン勝負になったらポジションにはもはや価値がないというのはお分かりいただけると思います。オールインに近づいてSPR(Stack-to-Pot Ratio;スタック対ポット比)が低くなると、OOPのプレイヤーのポジションによる不利益が小さくなるのです。

したがって、大まかな方針として、IPのときはOOPのときにくらべてドローでレイズする頻度を少なくすべきです。頻繁にレイズをしてしまうとせっかくのポジションが台無しになってしまいます。コールすればターンでドローが完成するかもしれませんし、完成しなくてもポジションがあるのでできることはまだ残っています。また、ここでポットを大きくしてしまうとターンとリバーで戦いづらくなってしまうでしょう。

例1|ターンでセミブラフを打つケース

具体的な例を見てみましょう。OOPの場合と比較ができるように、前半の例でも登場した8s7sを使って説明していきます。このハンドでBNからプリフロップのオープンレイズにコールしたとしましょう。フロップには次の3枚が落ち、フラドロを拾いました。

Qs/2s4d

相手はCBを打ってきましたが、今回はジャストコールします(OOPのときはここでチェックレイズをしたのを覚えていますか?)。

ターンには5hが落ちて、ターンボードは次のようになりました。

Qs/2s4d5h

相手はチェックしてきました。よかった!ドローは完成しませんでしたが次の理由からベットすることにしました。

  1. 相手が弱みを見せている
  2. こちらのハンドにショウダウンバリューがない
  3. ガットショットが付いた

以上の理由でベットをしたら、相手はフォールドしました。今回のプレイを振り返ってみると、セミブラフを1ストリート遅らせたことによって、ドローを完成させるチャンスを得て、さらに、ドローが完成しなかったときにもポットを獲ることができました。

例2|ターンもチェックバックするケース

別の例を見てみましょう。同じボードでKsJsを持っているとしたら、アクションはどう変わるでしょうか。フロップは同じくコールすべきですが、ターンは先ほどとは違ったアクションになりそうです。

今回は先ほどの例よりも、リバーまでにショウダウンバリューのあるハンドになる可能性が大きいです。Kハイにショウダウンバリューがあると言っているのではありませんよ!相手がターンでチェックしたので、相手のレンジの中にQは薄そうです。したがって、こちらにはアウツが6枚(Kが3枚、Jが3枚)あり、リバーでペアができればショウダウンで勝つことができるのです。

よって、私ならKsJsはターンでもチェックバックします。アウツは15枚(フラッシュ9枚、強いペア6枚)もありますし、アウツを引けなかったとしてもリバーでブラフすることだってできます(そしてそのつもりです!)。ポジションの価値を最大限に引き出すとはこういうことなのです。

まとめ

今回説明したどちらの例でも、後半のストリートでのポジションの価値を最大化するためにフロップのCBをジャストコールしたことをしっかりと覚えておいてください。

以上がOOPとIPでのドローのプレイの主な違いです。本連載の前半で説明した考え方も一般的には通用します。(私が運営するAdvanced Poker Trainingの新機能『Combat Trainer』でIPとOOPからのドローのプレイを練習できますので、ご興味があればぜひお使いください。)

今回はここまでです。次回は相手のプレイヤータイプを考慮したアジャストについてと、トーナメントでの特殊なケースについて解説していきます。

著者:スティーブ・ブレイ
翻訳元の記事:Playing Draws, part 4

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