この記事の目次
前回のおさらい
前回は、フロップでドローをアグレッシブにプレイすることについて解説し、フォールドエクイティが最大となるようなベットサイズを選択するべきだということが分かりました。言い換えると、相手ではなくこちらがオールインできるようにすべしということでした。もしまだ前回の記事をお読みでないなら、本記事の前に読まれることをおすすめします。
ドローをどうプレイするかはあなたではなくドローが決める
今回はもう一歩引いて、この質問から始めましょう。
「このドローはアグレッシブにプレイすべきだろうか?」
私はポーカーコーチとして活動していますが、これまで私が関わってきたプレイヤー達は皆、ドローをワンパターンでプレイしがちです。あるプレイヤーはドローを持っているときは毎回決まってセミブラフレイズもしくはチェックレイズします。また、ドローを完成させるために「必要以上の」チップを払いたくないプレイヤーもいて、彼らはドローを持っていれば毎回チェックコールします。
他にも、上記の2つのプレイをその時の気分によって行ったり来たりするプレイヤーもいます。
ドローには種類があり、アグレッシブにプレイすべきドローもあれば、パッシブにプレイすべきドローもあります。あなたの個性やその時の気分といった要素は、どのようにドローをプレイするかに影響してはならないのです。
では、どのドローをアグレッシブにプレイすべきで、どのドローをパッシブにプレイすべきなのでしょうか。段々面白くなってきましたね!まずは、OOPからのプレイから見ていきましょう!
大まかな原則として、次のことが言えます。
ショウダウンバリューのないドローはフロップでチェックレイズセミブラフすべし
例1:フラドロ付きのミドルペア
フロップでフラッシュドロー付きのミドルペアを拾ったとします。セット以外のハンドに対しては高いエクイティを持っていますし良いハンドであることは間違いありません。大多数のプレイヤーはこのハンドをチェックレイズするでしょう。しかし、私に言わせればこれは大きな間違いです。これは絶対にチェックコールすべきハンドです。このハンドのショウダウンバリューをセミブラフで無駄にするのはもったいなさすぎます。仮にフロップで負けていたとしてもツーペアやトリップスのアウツもあります。フロップはチェックコールしてターンでもう一度アクションを検討するのが良いでしょう。
例2:Aハイナッツフラドロ
ペア付きのドローでなくても、Aハイのドローなら一定のショウダウンバリューがあるので基本的にはやはりフロップはチェックコールすべきです。例えばフロップでA9sのナッツフラッシュドローを持っているとします。ペアはありませんが、このハンドはチェックコールするのが最も利益的です。Aハイはベストハンドである可能性があるので、やはりショウダウンバリューがあるといえます。そして、フロップに関係なくオーバーカードがあります。つまり、ターンでAが落ちればベストハンドに向上しうるのです。
ここまでは、パッシブにプレイすべき意外なドローを2種類見てきました。それでは一体、アグレッシブにプレイすべきドローとはどんなものなのでしょうか?2つの例を見ていきます。
例3:ペアなしのストフラドロー
を持っていて、フロップでストレートフラッシュドローを拾ったとします。ペアはありません。フロップは次の3枚です。相手がセットを持っていない限りは最悪の場合でもじゃんけんなので、オールインになっても構わないのは言うまでもありません。そして、重要なことに、この時点ではショウダウンバリューはありません。ドローを完成させないとショウダウンで勝つのは不可能でしょう。ここが例1と例2とは違うところです。先の2つの例ではドローが完成しなかったとしてもショウダウンで勝つ可能性が残されていました。
例4:フラドロ
同じくを持っていて、今回は次のフロップでフラッシュドローを拾ったとします。
この場合もやはりショウダウンバリューがないので、チェックレイズすべきです。ペアもなければ、オーバーカードもないので、ドローを完成させる以外にショウダウンで勝つ方法がないのです。
チェックレイズのサイズ
例4では、ハンドをその場で終わらせるのが理想ですしドローを完成させなくてはいけない状況はできるだけ避けたいので、チェックレイズのサイズを少し大きめにすべきでしょう。一方、例3のストレートフラッシュドローでは、相手のレンジに対して高いエクイティがありますのでベットサイズをそこまで大きくする必要はないでしょう。もちろんその場でハンドを終わらせたいことは変わりませんが、ストレートフラッシュドローであればオールインになっても構わないでしょう。
まとめ
以上をまとめますと、ショウダウンバリューのあるハンドはパッシブにプレイし、ショウダウンバリューがないハンドはアグレッシブにプレイすべきということです。実はこのプレイはGTOの考え方に由来するものですが、それについてはまた機会があれば詳しく解説したいと思っています。
次回は今回紹介したルールの例外である「メガモンスタードロー」について説明していきます。加えて、フロップでのセミブラフに必要なバランシングについても簡単に説明する予定です。
著者:スティーブ・ブレイ
翻訳元の記事:Playing Draws, part 2